最近、紙に文字を書いていますか?スマホやタブレットは手早くメモを取れて便利ですが、紙にペンを走らせる感覚や、文字の太さ、かすれといった手書きならではの質感は、デジタルではなかなか再現が難しいもの。今回は下町情緒と新しさが入り混じる街、東京・蔵前にある文房具店「カキモリ」をご紹介します。
職人とコーヒーの街・蔵前
その昔から職人が多かった街。蔵前を歩くと、革製品や家具、陶器を扱う小さなお店を多く見かけます。コーヒーショップやセレクトショップも軒を連ね、その風情は現代にも緩やかに引き継がれているようです。こだわり抜いた文房具やノートを取り扱う「カキモリ」は、そんな街の中にあります。
世界各国のペンから、あなたに合った一本を。
店内にはインクや便箋、万年筆など、趣向を凝らした文房具が数多く並んでいます。特にペンのディスプレイは美しく、試し書きされた紙からは、お店を訪れた人々がペンと紙を持つことの喜びを再び求めている様子が容易に想像できるでしょう。
すべてを自分好みにできるオーダーノート。
店内を歩いていると、製本用の機械やノートにリングを通すための穴あけ機を動かす音が絶えず聞こえてきます。「オーダー」と言うからには、なんだか大がかりなことをするのでは?と思ってしまいそうですが、そんなことはありません。製本までの流れはいたってシンプルです。
①サイズを選ぶ
まずは紙のサイズを選びます。B5サイズの縦or横、B6サイズの縦or横の4種類から選ぶことができます。
②表紙、裏表紙を選ぶ
ノートの顔となる表表紙と裏表紙を選びます。紙はもちろん、布地や革などからも選ぶことができます。中の紙は交換できるので、表紙の経年変化を楽しむこともできます。
③中紙を選ぶ
ペンの滑りを左右する中紙は、オーダーノートの中でも重要なパート。紙質はもちろん、罫線や方眼といった違いなど、カキモリでは約30種類の中紙が用意されています。
④リングの色を選ぶ
表紙とともにノートの顔となるリングは、5種類の色が用意されています。表紙と同系色でまとめるか、異なる色でアクセントにするか、案外迷ってしまうかもしれません。
⑤留め具を選ぶ
ノートが不用意に開かないようにゴムや封かん、ボタンといった留め具をつけることもできます。留め具によっても見た目の印象は変わってきますが、まずは自分が使いやすい素材を選ぶとよいでしょう。オプションで表紙の4つ角に角金(かどかね)という金具をつけることもできます。見た目のカッコよさはもちろん、いいものを長く使いたいという方にもおすすめの選択です。
⑥製本
すべて選び終わったら、ようやく製本へ。自分だけのノートが目の前で作られていきます。ひとたび手にすれば、長く、大事に使いたくなるでしょう。
最後に
以上、蔵前にある文房具店「カキモリ」を紹介しました。デジタルが身近になっても、常にノートとペンを持ち歩くデザイナーは未だに多いとか。あなたもオリジナルのノートとペンをカバンに忍ばせてみてはいかがでしょうか。